うつでなまぽ

うつ病で生活保護受給者中の生きものがいろいろ書きます。

こもごも「なにが胎児の心臓を動かすのか」

 多くの場合、雄と雌が交尾を行って、精子卵子が受精することで受精卵ができる。この受精卵が雌の子宮壁に張り付くことを着床といい、受精卵は着床した時点から胎芽と呼ばれるようになる。この状態から8週間ほどたつと胎芽は胎児と呼ばれるまでに成長する。ほかにも子宮内膜だの胎盤がつくられるだのがあるが、簡略すると胎児ができるまでは、ヒトの場合おおむねこういう経過をたどる。

 

 胎児はどんどん成長し、ヒトのかたちになっていく。内臓もできてくる。やがて心拍も確認されるようになる。しかし、なにが胎児の心臓を動かすかは、わかっていないそうだ。

 ヒトの胸のまんなかあたりにある、死ぬまでずっと動き続ける不随意筋でつくられたポンプ、それがなぜ動き出すのかわからないとは。一般に停止した心臓を再稼働させるためには電気ショックが用いられる。母体か、あるいは胎児自身、胎盤などから、心臓を動かしうるほどの放電が起こるのだろうか。そうすると母体である妊婦が気づきそうなものだが、胎児の心臓ともなるとちいさいので静電気未満の放電でも問題なく動き出すのかもしれない。あるいはなにかのホルモンが関係するのかもしれない。あるいは神さまとか天使とか呼ばれるような未知の生命体がぽんと心臓を動かすのかもしれない。

 なにかわからないものが動かしだした心臓は、きょうもみんなの肺のあいだで力強く鼓動している。

 

 心臓が動きはじめなければ、なにも始まらない。脳も血液が流れてこないならただの灰色の神経細胞のかたまりに過ぎず、体じゅうに指令を出すこともままならないだろう。心臓が動き出すことこそが生命の始まりともいえる。

 

 そうすると、心臓の拍動開始=胎児の生の開始ともいえるかもしれない。そうだとすれば、心臓の形成されていない、まだ心拍の開始していない胎児、あるいは胎芽は、生きているのか、死んでいるのか? この世に生と死しかないのなら死んでいるのだろう。あいだがあるというなら、心臓の形成していない、まだ心拍が開始していない胎児、あるいは胎芽は生きても死んでもいない。この状態をあらわす言葉は存在しない。ともいえる。

 もしかしたら、空っぽの生きていないからだだけがぽいと形づくられ、なにかの拍子に心臓が動きはじめることで、胎児は生きはじめるのではなくある意味ではよみがえるのかもしれない。死は生のあとにあるだけではなく、前にもある。そういう考えかたもできる。

 では胎児をよみがえらせる、死を生に転じるなにかはなんなのだろう。これは考えたところでわからない。しかし、こんなことを調べるひとはたぶんいないな。意味がないし、どう調べるにしろ、胎児に危険がおよぶ可能性がある。そんな実験は意味がない。

 

 というわけで、わたしはずっとなにが胎児の心臓を動かすのかを考えて、考えて、考えることで、頭をいっぱいにして、いやなことや記憶をはじき出すことができる。

 これは脳を非常に消耗するよくないやりかたなので、うつ病患者はまねするべきではないぞ。